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machiko comphor
No.3

蟻通し
蟻通しは人造記に収録されている短編奇談の一つ。主人公は実在した人物の南方熊楠。
産業発展、近代化の影に蠢くのは人の欲だけとは限らない。摩訶不思議な力によって起こる化け物騒動に一肌脱いだ熊楠の行動とは…?!
だいぶ豪胆に描かれている熊楠、不可思議をもって悪を罰する痛快短編。
なお、作中に登場する「蟻通神社」は現在も田辺市湊に存在する神社である。祀られている神は天児屋根尊(アメノコヤネノミコト)、日本第一の知恵の神として蟻通明神とも呼ばれ古くから地域で崇敬されている。
知恵の神社に知の巨人(熊楠の異名)という組み合わせが小憎い。
東郷隆
今年もmachikoさんの切り絵作品を見ることができました!実は私もこの「蟻通し」を読んだ後にこの作品を拝見しましたら、作中の描写が至る所に表現されていて見ていて「あ、これはあのシーンだな!」と一人ニヤニヤしてしまいました。
そしてmachiokoさんの作品の凄いところは切り絵だけじゃないんですよ。
おわかりいただけるでしょうか?新聞や雑誌から切り抜かれた文字の数々、かつて昭和の犯罪で犯行声明文などに使われた手法「切り抜き脅迫文」技法を使って本の紹介をしているところですよね。
この文を考えてそれに合わせて文字を探す。PCで簡単に打ち込んでプリンターで出せばあっという間の作業を、敢えてアナログで完遂するところにmachikoさんの美学を見ました。今回は他の作品展の準備もあって忙しい中なのに提出してくださいましたこと心より御礼申し上げます。
1993年 文春文庫
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