懐かしくて暖かい
ファンシー絵ハガキ展
1970年代後半、全国各地の観光スポットにあるお土産屋さんの一角に大体置かれていた絵ハガキ。リーズナブルでいてかさばらず、帰ってからも旅先の風景が瞼の裏側をかすめる。愛らしいキャラクターも添えて・・・
写真でなく、ふわふわでストロベリーの香りがしそうな淡くて可愛らしいキャラクターが描かれた風光明媚な観光地の絵ハガキ。
いわゆるファンシーグッズが10代女子をはじめとして人気だった当時の絵ハガキを個人的に所有されていらっしゃるコレクターの方のご厚意により
2023年8月に店内にて展示した際の店内風景です。
昭和カワイイが今熱い。
今回の展示で紹介するのは「ファンシー絵みやげ」シリーズの一部。現在、昭和レトロブームで様々なレトログッズが脚光を浴び、当時の物が懐かしさとその可愛さからオークションなどで高値で取引されています。
そんな昭和愛が止まらない人の注目が集まっている絵ハガキをご覧ください。
当時、絵はがきのイラストを手掛けていたのは
高徳瑞女さんや青山みるくさんなど、ファンシーイラストの代表作家さんです。
インターネットが普及していなかった当時、現地の写真を参考に。もしくは実際に自分の足で赴いてスケッチした風景からインスピレーションを練り上げて生み出されるわたあめのような優しい雰囲気のイラストで全国各地の観光土産店を席巻しました。
▲高徳瑞女さんによる倉敷川のほとり(岡山)
写実的な建造物を背景にファンシーなキャラが馴染んでます。
当時の価格は絵ハガキが5枚セットになって300円だったそうです。
昭和の旅土産といえば「ペナント」が真っ先に上がってきますが、可愛いくてかさばらないお土産として当時の女子のお土産としてはなかなかのヒット商品だったのではないでしょうか?
フリフリのスカートにレースがキュートなエプロン姿、ゆるふわのヘアスタイルと小さな等身。絵本から飛びだしてきたんか?
と思うくらい可愛いキャラが実際に存在する観光地の風景にぽつりと立った途端に絵全体がドリーミーに!
▲こちらも倉敷。後ろにみえる赤いポーチはカフェ・エルグレコ
風に乗って花びら?が散る様がドリーミー!!
この絵ハガキ、当時はなかなかに凝った作りになっていて、表面をさわるとところどころに透明な凹凸があって立体的です。エンボス加工というやつですね!
絵ハガキにエンボス加工されてると現代でもちょっと、高級感があるように感じるので当時お土産でもらったりなんかするとなかなかに嬉しかったんではないでしょうか?
絵はがきだけじゃない。ファンシー絵土産!
当時のファンシーな土産は絵はがきにとどまらず、ブックマーク(しおり)まで販売していました。
パッケージからして個性的。
山口県の萩・鍵曲(かいまがり)
武家屋敷の塀にみかんがたわたに実ってます。
▲高徳瑞女さんが描いたしおりが5枚セット。
(奈良出身者としてはテンションの上がるコレクションでしたー!)
▶︎むぅ!ここはまちがいなく興福寺&猿沢池だな。
やっぱり地元だと何気なく見ていた風景でもだいたいわかってしまうものですね。そしてやっぱりドリーミー♡
「古都のかおりあなたにあげる…」添えられた言葉はメッセージなのか、ポエムなのか?
独特の丸文字がまた時代を感じさせてくれてよし!
30年以上も前の紙グッズなのにあまり破損や汚れもなくて状態がとても良かったです。コレクターさんの保管が大変丁寧であることの現れですね!
こちらは奈良の各所を紹介しているしおりたち。
薬師寺↑
いかがでしたでしょうか?昭和生まれには懐かしく、平成生まれには新鮮さすら感じさせるファンシー絵はがき&しおりたち。期間中、足を運んでくださった皆様 当時のことを思い出して盛り上がったり、今とは全く異なる画風に新鮮さを感じていらっしゃったり。様々な思いを抱かれたようでした。今回の展示のために貴重なコレクションをお貸しいただいた玉置様に心より御礼申し上げます。
なお、玉置さんの昭和コレクションの展示、次回は11月1日〜30日まで
上富田町の喫茶メルヘンさんにて開催予定とのことですので、お近くにいく用事の
ある方は足を運んでみてはいかがでしょうか?
私も今から楽しみです♪